茨城県土浦市桜町の小児科

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【本の紹介:年長さん~小学生のご家族向け】
学校と一緒に安心して子どもを育てる本: 小学生保護者の心得  

もうすぐ4月ですね。ご入学、新学期は間もなくです!
 
ところで、担任の先生は選べません…
「担任の先生はどんな先生かな~」
「評判の良い〇〇先生だったら良いな~」
「××先生だったらちょっと困るな~」
という気持ちが顔を出してきますよね。私(副院長)もそうです。今、現在。
 
今回は
(2016年多賀一郎)
という本をご紹介いたします。
 
 
実は私の息子が4月から小学1年生なのでこの本を改めて読み、紹介することにしました。
 
2年前まで総合病院で1人科長をやっている時は、発達障害疑いのお子さんを中心に、食物アレルギーなど様々な場面で学校の先生たちと連携させて戴きました。その頃はじめて読んで、とても参考になりました。いまも、先生たちと連携するときは参考にしています。
 

ページ数、全体の印象について

約240ページと、やや多めの分量ですが、ベテラン教師の著者の先生から直接お話しいただいているような、優しい語り口調なので読みやすかったです。学年ごとに書かれている部分があるので、自分の子どもの学年の部分だけ読んでも参考になりそうです。
 

一番参考になったところ→先生にレッテルを張らない!

学校の先生と言うと、怖い、人格者など、堅苦しいレッテル貼ってしまいがちです。
しかし実際の最近の先生たちは、よく勉強して、人柄も良くその分挫折を知らなかったりするところがありますが、良い意味で普通の人です、と書かれています。
 
先生なのに〇〇してくれない…
と言う感じで一方的に解決を求め過ぎるよりは、今できている良いことを認めて差し上げたり、問題点を共有したい、と言うような、ともに子どもを支えたいという姿勢で接した方がよいのかも知れませんね。
 
 

学年ごとのポイントが書いてあるので、その部分だけ読んでも参考になりそうです

 
学年ごとの学習内容や、家庭での指導のポイントからいじめや学級崩壊への心構え、対処、やってはいけない事、など幅広くかつポイントを押さえて書かれています。
小学生の学習や生活について、全体を大まかに捉えるのにちょうど良い本と思いました。
 
印象的だったのは高学年の部分です。4年生ごろから徐々に友達同士のつながりが強くなり、5年生では思春期に入り反抗的になるため、とにかく子供の情報が入りにくくなるそうです。
 
何か心配なことがあったら、すぐに担任の先生や他の保護者と連絡を取り合うことが必要です。親が孤立したら、子供を理解することも守ることも難しくなります。(78ページ)
この時期は、つい状況が分からない不安から子供を問い詰めたりしてしまうこともあるんですよね。なおさら子どもも口を閉ざしていく、という悪循環をよく聞きます。私も気を付けないと…、と思いました。
 

その他(要望の伝え方、いじめ・学級崩壊への対処、学習について)

 
要望を伝えるときは、
いきなり苦情や要望が入るよりは、いつもお世話になっています、なになにの時はありがとうございました、などワンクッションが有効。
連絡帳に先生が努力しているところを見つけて書きましょう。先生だって子供と同じ、褒めて育てると言うことが大切です。(120ページ)
とのことです。先生も私たちも成長過程、ととらえることが大切なんですね。
 
いじめ・学級崩壊についてぜひ、本文をご覧ください。これも先生やクラスの保護者と連携して乗り越える、というスタンスが大切とのことです。
 
学習については、

ご褒美等で釣るのは低学年位までにしておいた方が良いです。そうやって学習の仕方や習慣を身に付けさせて、自分で目標持って進む内発的動機付けに結びつけます。


具体的には、どうしてそんな学習をしなければならないのか、と言う問いに答えることが大切です。
読み書きができないと、人に騙される。
計算できないと損をしても気づけない。(216ページ)

とのことでした。
ウチの息子、公文をやっていますが、思いっきりご褒美で釣ってます!
少しずつ考え直します…(^^;
 
「なぜ勉強するのか?」という問いに対しては、
勉強するのは何のため?―僕らの「答え」のつくり方
(2013年 苫野一徳)
という本がとても参考になりました。そのうち紹介しますね。
 

まとめ

先生に、当たり・はずれのレッテルを張らず、できるだけ尊重しあいながら子供を支えよう!
という本だと思います。サブタイトルが小学生保護者の心得となっていますが、まさにその通りな本だと思いました。
年長さん~小学生をお持ちのご家族の方にお勧めです。