ここ2週間くらいで一気に寒くなってきましたね!
10月上旬は半そでだったような気がしますが…。
気温が下がるに伴って、風邪をひく子がとても増えました。コロナ前の例年の秋のイメージですね。
それにともなって「ゼーゼーする子」も増えてきました。
ゼーゼーってどんな症状?
専門用語では「喘鳴(ぜんめい)」と言います。外来でお母さんたちから伺う「ぜーぜー」には以下のような3つのパターンがあります。
- 息を吐くときに音がでて、肩に力が入るような動きを伴う、本当の喘鳴(呼気性喘鳴)
- 息を吸う時に音が入り、声のかすれを伴うクループ症候群の喘鳴(吸気性喘鳴)
- 鼻水や痰がのどに絡んでいる音(咳で出したり、体勢を変えると消える)
1.のような症状が持続(数時間~数日)する場合は気管の細い部分が炎症を起こしている、喘息のような状態になっている可能性を考えます。下のイラストのような状態です。
喘鳴がある=喘息なの?
喘息とは、正式には気管支喘息という気管が慢性的に炎症を起こして、ちょっとしたきっかけで喘息の発作(今は「急性増悪」と呼びます)が起きてしまう状態です。
未就学のお子さんの気管支喘息は、とくに「乳幼児喘息」と呼ばれています。
当院での「ぜーぜーするお子さん」への対応
当院では以下のようにお子さんの「ぜーぜー」に取り組んでいます。
動画による症状の判定
ゼーゼーしてると思うけど、どのタイプのゼーゼーかよくわからないとき、あります!。そんな時は暗闇での音声だけでも良いので30秒くらいの動画を撮ってきていただき、外来で一緒に聞いて本当の喘鳴か判定してみましょう。
吸入器(小型ネブライザー)の貸し出し
病院で行う気管支拡張薬の吸入は、即効性がありますが2時間くらいすると切れてきます。病院で1回でもやるとそれをきっかけに改善することもありますが、夜の悪化をカバーするために貸し出しも行っています。
※台数には限りがあります
※コロナウイルスの感染状況によっては貸し出しを見合わせることもあります
ネブライザーやスペーサーの提案
発作を繰り返す場合は自宅での吸入を気楽に行ってもらうためにも、吸入器具を買った方が良いケースもあります。今はネブライザーなら1万円、スペーサーなら4000円くらいでしっかりした機器が買えます。
予防薬の主力、吸入ステロイドも使えるようになりますよ。
乳幼児喘息の場合の十分な情報提供
慢性に経過する病気の場合は、治療の見通しを共有することがとても大切です。どのような状況を目標に、何か月間治療するか、出来る限りハッキリさせながら治療します。
最後に
風邪の咳にしては苦しそう、咳をしていない時も呼吸自体がしんどそう、などのときはWeb問診票のフリーコメント欄などを活用し、ご相談ください。近隣にお住まいの方もお気軽にご利用ください(阿見町、つくば市、美浦村、かすみがうら市、石岡市など)。