日焼け止めは何を選んだらよいですか?
1.日焼けの基礎知識
日焼けの種類
紫外線の種類
太陽から発せられる光のうち、人体に影響するのはUVAとUVBの二つです。
(UVはultraviolet=紫外線の略です)
UVAは波長が長い光で皮膚の深く(真皮)に達し、メラニンを増やしてサンタンの原因になります。
UVBは波長が短く皮膚の浅い部分(表皮)で吸収されるためサンバーンの原因になります。
紫外線が多い時期、時間帯、気候
時期でいうと4~9月の半年間
時間帯では10~14時
が紫外線が多いと言われています。この時期の外出には注意が必要ですね。
日陰は日向の約 50%に紫外線が減るので、テントやパラソル、よしず等を積極的に利用しましょう。
曇りでも晴天の 80%以上の紫外線が出ているので対策は必要です。これは意外ですよね。
2.日焼け止めの選び方
「SPF」と「PA」について
SPF:sun protection factor
UVBを防御する効果を表す指標です。SPFが1だとすると20分、10だとすると200分はUBVから防御され、サンバーン(赤くなること)が生じないとされています。しかし十分な量を十分な回数塗った場合、とのことです。
PA:protection grade of UVA
+の数が多いほど、UVAを防御し、サンタン(黒くなること)を防ぐとされています。
選び方について
学校生活における紫外線対策に関する日本臨床皮膚科医会・日本小児皮膚科学会の統一見解という資料では
- SPF 15 以上であれば学校生活における紫外線対策としては十分
- ただし、たっぷりと均一に塗らないと期待通りの効果は得られません
- 2、3 時間ごとに重ね塗りするとより効果的です
と記載されていました。
条 件 | 防御対象波長 | 防御効果 | 備 考 | |
---|---|---|---|---|
SPF | PA | |||
日常生活 | UVB UVA |
5 | + | 光老化予防 |
軽い屋外活動、ドライブなど | 10 | ++ | サンバーン、光老化予防 | |
晴天下のスポーツ、海水浴など | 20 | +++ | サンバーン、光老化予防。耐水性のあるもの | |
熱帯地方での屋外活動 | 30以上 | +++ |
(出典:日本皮膚科学会のHP)
日焼け止め成分は大きく2種類に分かれます。
1)紫外線吸収剤:化学成分が使われています
2)紫外線散乱剤:金属である酸化亜鉛や酸化チタンが使われます
そしてどちらかというと紫外線吸収剤(化学成分)のほうが接触皮膚炎(かぶれ)を起こす率が高くなりますが、その頻度は約6%ですので紫外線吸収剤(化学成分)=有害と考える必要はないと思います。
市販されている日焼け止めの中では「子ども用」、「ノンケミカル」と書かれている商品には化学物質が含まれている頻度が低いので選ぶ際は目安にすると良いと思います。
塗る量
成人の顔を目安にすると上の図のように
- クリームならパール大2個
- ローションなどなら1円玉大2個
が目安で、子どもはこの半分です。案外多いですよね。
同じ量で二回塗りしてください。
塗り方(忘れやすい部分)
塗る場所として顔はもちろんですが、意外と忘れやすいのはうなじや、耳たぶ、胸、首、手の甲です。これらの部位にもきちんと塗りましょう。
3.まとめ
UVA、UBVについて、表にまとめてみました。
|
UVA
|
UVB
|
波長
|
長い
|
短い
|
影響の深さ
|
真皮(深い部分)
|
表皮(浅い部分)
|
赤くなる(サンバーン)への影響
|
小(3割)
|
大(7割)
|
黒くなる(サンタン)への影響
|
大
|
小
|
しみ・シワ、皮膚癌への影響
|
小
|
大
|
日焼け止め選びのポイント
|
PAが高いほどよい
|
SPFが高いほどよい
|
実際にお店で日焼け止めを選ぶときは
- 「子ども用」、「ノンケミカル」のものを選ぶと接触性皮膚炎になりにくい
- SPFは15以上あればとくに問題なく、用途に合わせて選ぶ
塗るときは
- 量はたっぷり
- 2回塗り
- 2~3時間で塗りなおし
以上を気を付けていただけると良いと思います。
出典
・学校生活における紫外線対策に関する日本臨床皮膚科医会・日本小児皮膚科学会の統一見解(2015年)https://plaza.umin.ac.jp/~jocd/pdf/20150929_01.pdf
日焼けやお肌の事について、近隣にお住まいの方もお気軽にご相談ください(阿見町、つくば市、美浦村、かすみがうら市、石岡市など)